展覧会は、運動態である - ワーク・イン・プログレス -
展覧会場では常に何かが行なわれています。何度か会場を訪れるたびに展示作品も変化していることでしょう。成長する作品。時間、コミュニティーとの関わりから作品も変化し、変遷していく可変的な物事として作品を考えます。
そのような制作方法をとっている作家、作品の展示を行ないます。例えば、みんなが集まる場所をつくり、そこで制作、生活、滞在、交流、展示のすべてを行ないます。作家、作品、現場、観客がそれぞれインテンシヴに関わることから、新たな鑑賞の形を生み出していきます。また、トリエンナーレという大枠の展覧会の中にいくつかのオルタナテイブな展覧会(「ホームステイ・アートプロジェクト」など)を含ませたいと思います。展覧会を入れ子の形にして重層的な催し物とします。
場にかかわる - サイトスペシフィック・インターラクション -
作品鑑賞から作品体験へ。
作品を鑑賞することから体験することへと導く。
そのためには実作の場を垣間みること。そのような場の設定を行ない、多くの人に参加してもらいながら作品を形つくっていくワークショップ形式のプログラムも展覧会期間中、随時行っていきます。
つまりアートの制作現場に立ち合うことが、そもそも作品鑑賞の始まりであり、そこから作品や同時代の作家に対する興味と理解が生まれるはずです。それ以上に制作に参加することにより、作品の新たな面を発見することにつながるでしょう。
作品を体験することは、アートを体験すること。それはこれからのアートのありよう、感覚世界のありようを改めて見直すことに繋がるような気がします。
人とかかわる -コラボレイティド・ワーク-
今回アーティストがコラボレイトしたサーカス(ビュランサーカス Buren Cirque)が横浜トリエンナーレにやってきます。アートによってアレンジされた新たなサーカスをここで紹介します。
その他にも会期中、さまざまなコミュニティー・ワークショップを開き、一般の人たちに開かれた展覧会を企画します。これ以外にも、オープンカフェ、飲食屋台、グッズ販売、資料閲覧室(トリエンナーレのアーカイヴルームとして、アーティストの資料、カタログなどを集めて、一般に閲覧できる場所)の設置を行ないます。
また会期後半には、会場で展示作品を含めたアート・オークションを企画しています。これには一般観客も自由に参加できます。テンポラリーな国際展であるからこそ、そこに展示された作品の今後のことも考えていきたいと思い、参加作家の協力を得た上で、展示作品の公開オークションを行ないたいと思っています。
横浜トリエンナーレ2005のこれらの活動が、新たなスタイルのアートシーンを日本から発信していく下地になることを願っています。
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