「アートとコミュニティ」最終回 報告レポート 
2010年08月11日

7月30日金曜日、連続講座「アートとコミュニティ」が
ヨコハマ創造都市センター3階にて開催されました。
本講座も無事、最終回を迎える事ができました。
ご参加頂いたサポーターの皆様、本当にありがとうございました。

IMG_1843.jpg

さて、最終回のゲストは現場の意見を、ということで、
NPO法人黄金町エリアマネジメントセンターで働くスタッフ代表として、
平野真弓さん、上野正也さんのお二人に来て頂きました。

平野さんはアート担当として、上野さんは建築担当として、
黄金町のアートとまちづくりの現場で活躍しています。


まずは上野さんから、今までに行ってきたコンバージョン物件のご紹介と、
現在進行中のArchitecture Planet Project(以下、APP)と
竜宮プロジェクトについての説明がありました。


ueno.jpg


APPは、空き家となった長屋を、5組の建築家が
コンバージョンするというもの。
竜宮プロジェクトは、元旅館を黄金町の建築家やアーティストが
協同で改造し、カフェやギャラリー、ショップに作り替えるプロジェクトです。
7月11日に両プロジェクトのシンポジウムが開かれましたが、
立ち見が出る程の盛況ぶりでした。


次に、アート担当の平野さんから、今までのアーティストインレジデンスの
実例と、滞在したアーティストとのプロジェクトについての説明がありました。

hirano.jpg


現在滞在中のオーストラリアのキュレーターとは、
「親密(intimate)になるってどういうこと?」というフレーズをテーマに
黄金町のアーティストの活動をリサーチするプロジェクトが進行中だそうです。

その中で、黄金町のまちづくりという様々な立場の人々が行き交う場において、
「親密(intimate)」な関係とは何か、平野さん自身も
考えさせられる事が多いそうです。
リサーチの結果は9月に開催される黄金町バザール2010にて
展示される予定です。

ふたりのプレゼンテーションの後、NPOの事務局長である山野さんと、
鈴木準教授が合流しての質疑応答コーナーとなりました。


IMG_1861.jpg

「コンバージョンしやすい物件はどんなものか。」
「どういう風にアーティストを選定するのか。」など
現場で働くふたりならではの質問が行き交いました。

また、「黄金町の街は、昔あった負の部分が一掃されたように思うが、
それについてはどう考えるか?」という質問に対して、
参加していた住民の方も議論に加わり、
「負の部分は完全になくなったわけではなく、
NPOのスタッフも含め、現在も戦っている最中なのだ。」というお話には、
会場の空気が引き締まったように思えます。

最後に、山野さんから、トリエンナーレのサポーターについての
お話がありました。

IMG_1864.jpg


「横浜市民のみなさんと、距離を置いたままで
トリエンナーレを継続する事はできない」とし、
「サポーターとトリエンナーレの関係を、
2011年では新しい関係にしたい。監視や会場整理だけではなく、
もっと積極的に、サポーターのひとりひとりがトリエンナーレの広報の役割を
担うような関係をつくりたい」と、
サポーターに対する期待や役割について話しました。


今回をもって、「アートとコミュニティ」連続講座は終了をします。
聴講に来て下さったサポーターの皆様、本当にありがとうございました。

クリエイティブシティの取り組みから始まり、
国内や海外の市民恊働プロジェクトのお話、まちづくりサイドの見解など、
様々な切り口から「アートとコミュニティ」についての考察を行いました。


今後も、トリエンナーレやアートボランティアなどの
イベントや講義の情報をみなさんにお伝えしていきたいと思いますので、
引き続きサポーターサイトをチェックしてみてください。


また、サポーターのみなさんにお会い出来る事を楽しみにしています。
ありがとうございました。