北仲スクール・NPO法人黄金町エリアマネジメントセンター主催
横浜トリエンナーレ・サポーター事務局共催
「アートとコミュニティ」第2回目講義レポート
7月9日金曜日、加藤種男さんを講師にお招きしての、
連続講座「アートとコミュニティ」2回目が開催されました。
突然の豪雨にも関わらず、会場である横浜アーバンラボには
学生・一般社会人・サポーターの方々など30数名の聴講者が足を運び
約2時間半の講義を、質問も交えながら熱心に聴講されていました。
加藤さんが事務局長を務める財団法人アサヒビール芸術文化財団では、
今年で9年目を迎えるアサヒ・アート・フェスティバル(以下、AAF)の開催や
アートを通じてのまちづくりを促進する
全国のNPOネットワークの形成などを積極的に行い、
芸術活動への市民参画や地域の創造活動の発展を行っています。
今回の講義では、「アーティストと市民の関係」を基軸に、
アーティストが市民と共に地域で芸術活動をすることを通じて、
どのような社会形成につなげていくのか、といったマクロの視点での
将来的なビジョンについてお話頂きました。
また、アーティストが先導して行う市民参加型の
アートプロジェクトでは、アーティスト個人の優れた感性やアイデアが
とても重要であるとし、
AAFの参加アーティストの例を出して説明をされました。
例えば、2009年「すみだ川のおもしろい」展に参加した
アーティスト集団「wah」の場合は、
「隅田川でこんなことが出来たらおもしろい」というアイデアを
市民から募集し、その一部を実現する手法をとります。
コミュニティアートとして彼らが優れている点は、
「通常アーティストは自分のやりたいアイデアを
住民の人々と一緒に実現する事が多いが、
彼らの場合はアイデアを他のひとに出してもらって、
それを実現する事にある。」とし、
「隅田川を流れる船の上でゴルフをする」「船がお風呂になっている」などの
例を用いて説明されました。
講義終了後は鈴木准教授(横浜市立大学)と
山野事務局長(黄金町エリアマネジメントセンター)も交えて、
加藤さんの講義を踏まえてのディスカッションが展開されました。
最後に、聴講者から集まった質問に3者が各々の視点から回答し、
今回の講義は終了となりました。