先ず隗より始めよ 
2010年02月09日

皆さんに、横浜トリエンナーレの開催情報をお伝え出来ないことは、誠にもどかしい限りです。現状は、なかなか横浜トリエンナーレ情報が、入って来ない、というよりも、只今、横浜市は懸命に実現に向けた関係機関への合意形成を行っています、ということだけはお知らせ出来ると思います。

これまでのトリエンナーレの主催者の一つである国際交流基金(以下、基金)が、民主党政権下、事業仕分けによって、その活動内容が根本的に見直されようとしているのは、皆さんもメディア等ですでにご承知だと思います。

基金は、そもそも日本語の海外への普及、あるいは日本文化の海外への紹介といったところが本来の役割ですので、国内のこうした国際展への関与は、目的外として評価され、その点が、まさに見直されようとしています。

従来、トリエンナーレでは、横浜市が会場をはじめとするいわゆるハードを担当し、基金は、その中身、つまりソフトを担当していたのですが、ここにきて、基金の関与が期待出来ないとすると、ソフトもまた横浜市が担わなければならないのです。

無論、横浜市といっても、会場となる予定の横浜美術館、あるいは、これまで様々な活動を展開し、情報を集積してきたBankArt、急な坂スタジオ、黄金町エリアマネジメント、象の鼻等も、そのソフト作りの一翼を担わなければならない。

この意味では、創造都市としての横浜が、こうした機関がトリエンナーレ開催のためにこれまでの経験を十分に活かせる環境を整えてきたことは、他都市に比べてアドバンテージがあるのではないかと思います。

とは言え、厳しい財政状況は、国も地方自治体も同じです。横浜トリエンナーレが予定通り開催されるにこしたことはありませんが、サポーターの皆さんの、横浜における文化活動への貢献は、もっと大きな文脈の中で活かされるべきものである以上、先ず隗より始めることが肝要ではないでしょうか。