対話をしながら浮かび上がってきたアーティスト自身のイメージを、対話相手の友人に描かせた水彩画を冒頭に配したインスタレーションを、このトリエンナーレに出品する。その水彩に続く壁面には、彼の住む土地の歴史や伝説を近所の人々にインタビューに基づいて描いた絵画のシリーズが並べられている。他者へのインタビューという作業が、自ずとインタビュアーの内面の世界を形象化してしまうという、どこか不穏な感覚を宿した作品である。