カール・ドゥネア:1963年生まれ ペーダー・フレイ:1954年生まれ ともにスウェーデン生まれ スウェーデン在住
カール・ドゥネアは、もともとストックホルムの国立オペラ劇場の舞台監督であった。その経験を生かして、数年前から、白い箱の中に石膏像がおかれている舞台のミニアチュールの様な作品を発表し始めた。その彫刻は、人が気づかないほどゆっくりと移動し、仮想舞台の上で俳優の役を演じることになる。その動きは、きわめて精巧に仕掛けられており、同じ動きを繰り返すことは5年間はないという。さらに一日に数回、その彫刻はベケットの戯曲を語り出す。一見単純な白い箱の中に、見えないテクノロジーが凝縮され、なおかつ哲学的な主題を演じるところに、独自の世界を開示している。 |