ギリックの作品は、しばしば未完成であるかのように見えるインスタレーションである。様々なオブジェやフィルム、脚本などがそれぞれ関連を持って配置されているが、観客は知識と想像力を働かせ、その意味を自身で探らなければならない。彼の呈示するテーマや情報は、ある部分は事実、ある部分はフィクションであるため、そのゲームの中に観客も取り込まれ、参加することになるのである。観客参加型の手法としては新しいタイプの作品として、90年代後半に注目を集めてきた。
国際展：96年「Life/Live」展（パリ市立近代美術館）、97年ドクメンタに参加。