ユルーン・デ・レイケ:1970年 ウィルム・デ・ローイ:1969年 共にオランダ生まれ 現在オランダ在住
映画の規範に則って制作されるデ・レイケとデ・ローイのフィルムは、その映像を美術館で鑑賞者を巻き込む一つの絵画として提示することで完結する、一種のフィルム・インスタレーションである。映画の手法を用いながら、私たちが習慣化してきた「映画を見る作法」を裏切り、同時にそれは、美術館で絵画を鑑賞する私たちの習慣化された「鑑賞の作法」をも無効にする。映像を意味付けしようとする私たちの努力を裏切り、美しいイメージの断片だけが提示される彼らの作品は、「合理的な解釈」を求める私たちの欲望が、救いのない病理なのかもしれないことを感じさせる。 |