ジュニア記者の「横トリNEWS」vol.6 アートもりもり!横浜で活躍するアーティストへのインタビュー第3弾

〜碗琴道箱点前・かずささん、「黄金森」・安部泰輔さんに聞く〜
@黄金町バザール2024 –世界のすべてがアートでできているわけではない–

私たちジュニア記者は、第8回横浜トリエンナーレの会期中、6回に渡り取材していきます。

今回、取材と記事作成を担当したのは、加藤昂、増田涼香、犬飼結花、高橋蒼士、馬場航平、青木帆高、細野由衣斗、横井悠斗、の8名のメンバーです。

黄金町バザール!また行ってみたい!

京急線日ノ出町駅・黄金町駅間の高架下スタジオと、その周辺で行われている、「黄金町バザール2024 – 世界のすべてがアートでできているわけではない–」を取材しました。黄金町バザールはまちの中にアーティストの制作の場やアートスポットが点在しています。

黄金町バザールは2008年から始まり、毎年秋に開催されているアートイベントですが、今年は横浜トリエンナーレと同時に開催することになりました。今年で15回目となりました。今年は19か所(+屋外複数箇所)の展示会場に、33組のアーティストが作品を展示しています。日本人や外国のアーティストが自分の作品を黄金町の高架下で展示していて、面白いもの、魅力的なもの、などさまざまな作品がありました。

私たちはお二人のアーティストの活動に触れ、その後インタビューすることができました。

碗琴道箱手前〜かずささん キーワード「繰り返す」

かずささんは碗琴道(わんきんどう)という、茶碗や湯呑を並べ、音を鳴らし、しまい、立ち去るまでの一連の動作「箱点前」(はこてまえ)を作法に則ったパフォーマンスとして行っています。

かずささんは、主に今までお茶碗として使われてきた、廃業する店や個人から食器をもらい、その食器でパフォーマンスをしています。かずささんのパフォーマンスは、お茶碗をならべて、手作りのばち(マレット)でお茶碗を叩き、曲を演奏するものです。色々な大きさのお茶碗をきれいにならべて、演奏をしていました。かずささんによると、大きい茶碗が低い音で、小さい茶碗が高い音だそうです。そして、演奏が終ったら、丁寧に箱にお茶碗をかたずける一連の所作までがパフォーマンスです。
パフォーマンスをしていて、食器が割れてしまうこともあるらしく、割れてしまうとその食器は金継ぎなどで補修しても、二度と同じ音は出ないといいます。

アーティスト:かずささんについてはこちらから
https://koganecho.net/koganecho-bazaar-2024/artist/kazusa/

「黄金森」〜安部泰輔さん キーワード「コミュニケーション」

次に安部泰輔さんにインタビューしました。
今回の黄金町バザールでは、「黄金森」という展示を行っていました。安部泰輔さんは古布などを集め、作品を作り、展示していました。安部泰輔さんの作品の、ネコやクマ、フクロウ、仏像などのぬいぐるみが、会場中に広がっていて、森のようです。展示しながら作品を作る場も見せていました。布を切ったり、ミシンで縫ったり。

横浜トリエンナーレの公式マスコットキャラクターである「ヨコトリ」は安部泰輔さんの作品です。ヨコトリは2日~3日で200個ほど作ります。
安部さんは、古着を集めて、その古着と糸と綿とミシンを使ってアート作品を作るアーティストです。黄金町バザールでは、黄金町の住民のみなさんから古着を集めて活動しました。安部さんの作品の小さなものには、安全ピンが裏に付いています。それは「これをつけて外に出歩くと、他にも自分の作品をつけている人に会ってコミュニケーションの輪が広がるきっかけになるかもしれないから」とのことです。私たちは「ヨコトリ」を1人ひとつずついただき、そしてみんなカバンや自分の洋服に取り付けて、まちを歩きました!

美術家:安部泰輔さんのホームぺージはこちらから
https://taisuke-abe.jp/

みんなの感想

安部さんは人と話せるのがやりがいだと語られていました。人と顔を合わせて話すことは大切で楽しいことです。このようなアーティストのお仕事でコミュニケーションの輪が広がっていくことはすごいと思いました。黄金町バザールで作品を見て、アーティストの方から話を聞くのは楽しかったです。また、次回開催される黄金町バザールに行こうと思いました。 
犬飼結花

かずささんのいろんな大きさのお茶碗をたたいて演奏する碗琴道は、美しい音色で飽きることがなく、とても心が落ち着きました。
馬場航平

安部泰輔さんの「黄金森」の展示ルームには、使った後の古布の切れ端などを縫い合わせた作品が壁に吊るされていました。これはトリエンナーレのテーマでもある「草」をイメージしていて、そこにたくさんの作品が次々取り付けられていきました。みなさんも黄金町にぜひ行ってみてください。 
加藤昂

安部さんはとても優しい人でした。仏像のぬいぐるみを作る理由は、感謝の気持ちからだそうです。仏像のぬいぐるみにはカレー、オムライスなどの食べ物が表現されていました。仏様の下に食べ物を添えて感謝の気持ちを表しているのです。 
高橋蒼士

かずささんの作品は、色々な大きさのお茶わんをきれいにならべて、演奏をして、最後に丁寧に箱にかたづけると言うお作法でした。かずささんは元々、大分などで活動していて、関東で活動がしたくて、黄金町をみつけたそうです。 
増田涼香

黄金町バザール2024。そこには作品を生み出した人たちの想いがありました。気球のようなさとうりささんの青いバルーンの作品、書道家のハシグチリンタロウさんの作品、そして、物ができて、壊れて、新しい物ができて、こわれて…この繰り返しの本間純さんの作品。その作品は数えてみたところ約70個のパーツになりました。くずれて、できて、という感じから人の心を再現したものだと考えられます。

最後に見たアートは高橋ビルの屋上にありました。宮城県石巻市の日和山にある階段を再現した井上修志さんの作品です。このアートは2011年の東日本大震災で、復興のあかしとして作られたそうです。階段は希望をあらわしているものと考えています。作品の中の古いテレビに被災地の映像がながれていて、震災の大変さが残っていました。 
横井悠斗

今回の取材では、黄金町バザール2024に行ってきました。生まれて初めてインタビューをしたので緊張しましたがメモを取るなどして頑張りました。安部泰輔さんは、古着などでぬいぐるみを作っていました。横浜トリエンナーレの公式グッズ「ヨコトリ」をはじめとした様々なキャラクターがここで作られていました。どれも可愛くて思わず買ってみたくなっちゃいました。また、行ってみたいです。 
青木帆高

僕は黄金町のアーティストさん達の活動をみて身近にあるものでも、様々な活動ができると知りました。碗琴道もヨコトリなどのぬいぐるみも、少し古くなった、いらなくなった物をもらい受ければ、材料費用もかからず、エコにもなる。そしてゴミになるはずのものが新しい作品となって誰かの手に届くサスティナブルなエコ&アート活動だと思います。 
細野由衣斗

黄金町バザール2024ホームぺージはこちらから
koganecho.net/koganecho-bazaar-2024/

ジュニア記者発刊「横トリNEWS」最終回!全6回の取材を終えて

今回は、6回に渡り、第8回横浜トリエンナーレの様々な企画について、取材する機会を与えて頂き、多くの現代アートに触れることができました。また、横浜トリエンナーレ、創造界隈拠点のアーティストの皆さん、事業に携わっている皆さんの取材が出来て、とても勉強になり、楽しかったです。次回の横浜トリエンナーレも是非行きたいと思います。ありがとうございました。                 ジュニア記者一同

〈つづき・みなとみらいジュニアタイムズ〉
ジュニアタイムスは、子どもたちが取材し、記事を書く地域新聞です。
つづきジュニア編集局は、横浜開港150周年・都筑区制15周年の節目にあたる2009年に活動が始まってから、15周年を迎えました.。今年は都筑区の区政30周年を迎えます。2018年にはみなとみらいエリアでのMMジュニア編集局が始まり、現在は、2つの編集局が合同で取材することもあります。
都筑区、西区だけでなく横浜市全体に目を向け、小学4年生から高校生のジュニア記者が、子どもの目線と力をフルにいかして、取材に行き、記事を書いています。

https://junior.minicity-plus.jp

「横トリNEWS」vol.1 「オリジナルグッズ開発ワークショップ」レポートはこちら
「横トリNEWS」vol.2 「ロボットと一緒にアートクイズを作るワークショップ」レポートはこちら
「横トリNEWS」vol.3 ぺーパーランプイベント「野草の灯」レポートはこちら
「横トリNEWS」vol.4 「アートもりもり!横浜で活躍するアーティストへのインタビュー第1弾」はこちら
「横トリNEWS」vol.5 「アートもりもり!横浜で活躍するアーティストへのインタビュー第2弾」こちら