上映:小熊英二監督映画『首相官邸の前で』 (2015年)
トーク:小熊英二×蔵屋美香「野草の生きかた:ふつうの人が世界を変える」
小熊英二監督によるドキュメンタリー映画『首相官邸の前で』は、2012年夏、ごくふつうの20万人の人びとが首相官邸前に集まり、原発にまつわる政策に抗議した、「奇跡のような瞬間」をとらえた作品です。
ひるがえって、第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」は、中国の作家、魯迅(ろじん、1881–1936)の詩集『野草』(1927年刊)からタイトルをとっています。
魯迅はこの本の中で、わたしたちひとりひとりが日々の暮らしの中で小さな行為を積み重ねれば、世界は変えられる、と語りました。世界を変えるのは、特別な英雄ではなく、魯迅にとってもやはり野の草のような「ふつうの人びと」なのです。
気候変動、災害、戦争、経済格差に不寛容。わたしたちの時代は多くの生きづらさを抱えています。「ふつうの人びと」はこれを変える力となりうるでしょうか。上映とトークを通して、みなさんと共に考えたいと思います。
[プログラム]
・ごあいさつ(13:30~13:40)
・上映 映画『首相官邸の前で』(13:40~15:30)
2015年|日本|109分|企画・製作・監督・英語字幕:小熊英二|配給:アップリンク
-休憩(10分)-
・トーク「野草の生きかた:ふつうの人が世界を変える」(15:40~16:30)
小熊英二(慶應義塾大学総合政策学部教授)
蔵屋美香(横浜トリエンナーレ組織委員会総合ディレクター/横浜美術館館長)
- 日時
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5月26日(日) 13:30~16:30(開場:13:00)
- 会場
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横浜美術館レクチャーホール
- 定員
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240名/事前予約不要 ※映画のみ、トークのみのご参加も可能です。
- 入場料
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無料
- 言語
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映画:日本語(英語字幕付き)、トーク:日本語
小熊英二(おぐま・えいじ)
慶應義塾大学総合政策学部教授。学術博士。社会学から日本近現代の研究に従事。主な著書に『単一民族神話の起源』(新曜社、1995年、サントリー学芸賞)、『<日本人>の境界』(新曜社、1998年)、『<民主>と<愛国>』(新曜社、2002年、大仏次郎論壇賞、毎日出版文化賞、日本社会学会奨励賞)、『日本社会のしくみ』(講談社、2019年)、A Genealogy of ‘Japanese’ Self-Images (Transpacific Press, 2002) など。