横浜トリエンナーレで実施する実証実験のモニターを募集

「アートが⼼にもたらす効果」を検証
実証実験モニター募集

横浜トリエンナーレ組織委員会とMinds1020Lab ※1 (マインズテントゥエンティラボ)は、「アート鑑賞が⼼にもたらす効果」を検証する実証実験のモニターを本日より募集します。

モニター募集

モニターの皆様には、第8回横浜トリエンナーレの招待券(1名分)をプレゼントします。

期間

2024年5⽉17⽇(⾦)〜19⽇(⽇)のいずれか1⽇(1時間程度)

場所

横浜美術館

対象

18歳以上(⾼校⽣を除く)〜59歳の男⼥

募集⼈数

1⽇最⼤40名

募集期間

2024年2⽉29⽇(⽊)〜⼈数に達し次第終了

お申込み

1.取り組みの背景

横浜トリエンナーレ組織委員会は、横浜トリエンナーレの主催者として、2001年の第1回展以来、20年以上にわたり広く市⺠や⼦どもたちに最先端の現代アートに触れる機会を提供してきました。第8回展では、事業評価指標の⼀つとして来場者の鑑賞効果のデータ化に取り組んでおり、このほど横浜市⽴⼤学と協定書を締結し、本実証実験を⾏う運びとなりました。
実験を担当するのは、横浜市が参画する横浜市⽴⼤学の産官学連携の研究拠点「Minds1020Lab」です。
「Minds1020Lab」は、⽣きづらさを感じる若者の⼼の課題を包括的に研究する新たな学術領域の⽴ち上げを⽬的に、精神保健、公衆衛⽣、基礎医学、データサイエンス、臨床⼼理学や⾳楽神経科学等の多様な分野の専⾨家が産官学の壁を越えて参加し、バーチャル空間に、若者が⼼の不調を気軽に相談できる「メタケアシティ」の構築をめざしています。実証実験には、「Minds1020Lab」が有する調査・分析⼿法を活⽤します。「Minds1020Lab」のメンバーであり、美と感性に関する⼼や脳の働きや仕組みの解明を研究する慶應義塾⼤学教授の川畑秀明は、アートの効⽤に関する先⾏研究を下図で整理し、「美術鑑賞や創作表現には、⼼⾝にポジティブな影響を及ぼすことが証明されているが、そのメカニズムについては不明な点が多い」と述べています。
実証実験では、展覧会鑑賞直後の鑑賞者にもたらされる⼼理的効果を検証し、それがどのようなタイミングで⽣じるかのメカニズムを明らかにすることを⽬的に、第8回横浜トリエンナーレを実験の場として実施します。

2.実証実験の概要

(1)特徴と期待される効果
芸術鑑賞が⼈々の精神的幸福と密接に関連していることは既に広く認識されており、この分野の研究において、芸術作品が観察者にもたらす深い感情体験や創造性、想像⼒の刺激についての重要性が強調されています。特に、トリエンナーレのような⼤規模な芸術イベントは、その多様な⽂化的表現を通じて観察者に新しい視点や強い感情反応を提供する可能性があると考えられますが、このような⼤規模な芸術イベントの効果に特化した研究はこれまでありません。 今回の実証実験により、横浜トリエンナーレが⼈々の精神的幸福にどのように関わるかが明らかになります。

(2)⼿法
・本実証実験は、事前登録の上、横浜トリエンナーレに来場される⽅を対象にスマートウォッチGarmin(ガーミン)と鑑賞記録シートにより⾏います。
・実験参加者の鑑賞前後の⼼の状況を、装着するだけで⼼拍数などの健康情報データが取得できるGarminによって把握、鑑賞シートに作品を⾒た時間を記録していただきます。記録していただいた鑑賞シートとGarminで取得した⼼拍データをもとにメンタルの状況変化を把握し、「アート鑑賞が⼼にもたらす効果(または個々の作品の効果)」を分析します。
・具体的には、鑑賞前後に取得した⼼拍データとアンケート、鑑賞記録シートの内容を⽐較することで、展覧会鑑賞や個々の作品鑑賞による⼼理的効果を可視化します。

*1 Minds1020Lab(マインズテントゥエンティラボ)について

Minds1020Labが取り組む「メタケアシティ」の構築は、国⽴研究開発法⼈科学技術振興機構(JST)が公募する令和4年度「共創の場形成⽀援プログラム(COI-NEXT)」共創分野本格型に採択されたプロジェクトの1つ。若者の⽣きづらさを解消し⾼いウェルビーイングを実現するメタケアシティ共創拠点を構築するプロジェクトの拠点で、メタバースを活⽤した若者のこころの⽀援に向けた開発を産学官共創により進めている。
Webサイト https://minds1020lab.yokohama/