1980年、ベイルート(レバノン)生まれ、同地を拠点に活動。
アーティスト、キュレーターとして活動し、インスタレーション、ビデオ、ドローイング、立体、パフォーマンス等を手掛ける。スポーツ、博物館、音楽における公共空間の統制と統治の仕組みについて考察する。本展では、投げつけたチョークボールの粉の跡を残した壁と投光器で構成されるインスタレーションを発表。公共の場で使用される照明から犯罪予測にいたるまでの監視社会の歴史を反映する。2017年、カディスト(フランス)、イタリア国立21世紀美術館、ノッティンガム・コンテンポラリー(イギリス)、2018 年、ウェクスナー芸術センター(アメリカ)、2019年、ジャミール・アート・センター(アラブ首長国連邦)、サンフランシスコ近代美術館等の個展・企画展に出展。
《1440 SUNSETS PER 24 HOURS》, 2017
© Haig Aivazian, Courtesy of the artist
1991年、アブダビ(アラブ首長国連邦)生まれ、ニューヨークを拠点に活動。
写真、映像、パフォーマンスを主体に、アラブ諸国におけるポスト・コロニアルの権力構造、ジェンダー、文化的嗜好を再考するような作品を制作。本展では、真珠採りのダイバーや漁師によって作家の出身地に伝えられている、イスラム神話の魔神についての豊かな伝承に着想を得た新作を発表する。2019年、ヒューストン・センター・フォー・フォトグラフィーにて個展開催。2020年、ラホール・ビエンナーレ(パキスタン)出品。
Photo by Matthe Leifheit
《A's Reflection》, 2019
Courtesy of The Third Line and Helena Anrather
1985年、テヘラン(イラン)生まれ、ニューヨークを拠点に活動。
コンピューター・モデリングなどのデジタル技術を用い、テクノロジーとアート・アクティヴィズムの交差点を探るような作品を制作している。本展では、イスラム教の聖典
「クルアーン」において「終末」の到来を機に封印を解かれるヤージュージュの人々と、イスラム世界で描かれてきた女性の怪物を結びつけて新たな物語を紡ぎだすVRインスタレーション《未知を見る彼女:ヤージュージュ、マージュージュ》を展示する。2018年、リバプール・ビエンナーレ出品。2019年、ジョーン・ミッチェル財団(アメリカ)ペインター&スカルプター助成獲得。
《未知を見る彼女:ヤージュージュ、マージュージュ》, 2017
Courtesy of Morehshin Allahyari
Photo by Artist
1965年、パース(オーストラリア)生まれ、ブリスベン(同)を拠点に活動。
西オーストラリア州キンバリー地区ブルームの大地と水を故郷とするという先住民アボリジニのヤウル族を祖先にもつアンドリューは、近代社会でその存在を否定され、忘れられた個人や家族の歴史を調査しながら、現在のテクノロジーを用いて、故郷の土地や水、空、あらゆる生命との精神的、文化的、物理的、また歴史的な繋がりを伝える作品を制作している。プログラムで動く精密な機械と、土地の文化を反映する顔料や黄色土を使い、西洋文化から遠ざけられ、埋もれていた歴史、文化、個人の物語を掘り起こす。2017年、アルス・エレクトロニカ(オーストリア)、「ザ・ナショナル2019:ニュー・オーストラリアン・アート」参加。
Courtesy of the artist
《A Connective Reveal - Language》, 2019
© Robert Andrew, Courtesy of the artist and Milani Gallery, Brisbane
Photo by AGNSW, Diana Panuccio
1968年、宮城県生まれ、同地を拠点に活動。
青野は90年代より一貫して、「なおす」という行為を主題に彫刻作品を発表している。使い古された家具や浜辺の漂着物などの欠損箇所から想像を膨らませ、異なるモノと結合させながら創造的復元を行う。本展では、会場に合わせた大型の新作を発表する。2013年、あいちトリエンナーレ、2019年、「六本木クロッシング」(森美術館)等に出品したほか、同年、個展「青野文昭 ものの, ねむり, 越路山, こえ」(せんだいメディアテーク)を開催。
《なおす・代用・合体・侵入・連置・「震災後石巻で収拾した廃船の復元-2」2016》, 2016
1978年神奈川県生まれ、同地を拠点に活動。
写真の最初期の技法であるダゲレオタイプを用い、核の歴史への関心と接続させた作品などを発表。本展では、戦地へおもむく人の無事の帰還を願って作られた千人針をモチーフとした新作を発表。2016年、木村伊兵衛写真賞、2017年、横浜文化賞文化・芸術奨励賞受賞。2016年、「Japanese Photography from Postwar to Now」展(サンフランシスコ近代美術館)、上海ビエンナーレ出品。
Photo by Anton Orlov
《B29:エノラ・ゲイの多焦点モニュメント、マケット》, 2016
©Takashi Arai, Courtesy of PGI
1986年、バンコク(タイ)生まれ、ニューヨークを拠点に活動。
グローバリゼーションが今日のタイにもたらした影響を探究し、その象徴であるデニムやヒップホップなどのポップカルチャーと、タイの伝統的な価値観が織り成す映像、パフォーマンス、インスタレーションを発表している。異なる文化間におけるアイデンティティ、権力構造、神話作用などの問題について考察する。2016年、シドニー・ビエンナーレ、2019年、ヴェネチア・ビエンナーレ、イスタンブール・ビエンナーレ、アジア・アート・ビエンナーレ(台湾)、シンガポール・ビエンナーレに参加。
© Korakrit Arunanondchai 2019;
courtesy of the artist; Carlos / Ishikawa, London; Clearing, New York; Bangkok CityCity Gallery, Bangkok;
Photographer Benjamin Bechet (J1, Marseille)
《おかしな名前の人たちが集まった部屋の中で歴史で絵を描く 5》(スティル), 2018
© Korakrit Arunanondchai 2019, Courtesy of the artist; Carlos / Ishikawa, London;
Clearing, New York; Bangkok CityCity Gallery, Bangkok
1972年、アグリジェント(イタリア)生まれ、ベルリンを拠点に活動。
彫刻的なアプローチによる映像制作、空間表現を試みるバルバは、作品と鑑賞者の新たな関係を生み出す映像、彫刻、インスタレーションを発表している。また映画の素材や概念的な価値にまつわる執筆や出版活動も行う。バルバが探究するのは、映画における様々な演出の手法、例えば身振りや様式、情報や記録が意味するものであり、それらを従来の文脈とは異なる新たな形で提示する。本展では、35mmフィルムによる映像作品《地球に身を傾ける》を展示。2014年、ベルリン・ビエンナーレ、2009年、2015年、ヴェネチア・ビエンナーレ、2016年、サンパウロ・ビエンナーレ等多くの国際展に参加。
Photo by Sara Masüger
《地球に身を傾ける》(展示風景), 2015
© Rosa Barba, Courtesy of the artist
Photo by Studio Mizuki Tachibana
1966年、ガザ(パレスチナ)生まれ、パリとガザを拠点に活動。
二つの拠点を往来する自身の体験から、故郷の歴史や現在の状況がもたらす移動や放浪、儚さや脆さをテーマに、写真、映像、ドローイング、インスタレーション、パフォーマンスなど、多彩な手法で作品を発表している。本展では、ガザに戻ることができなくなった2006年6月以降続けているプロジェクトから、ガザの家の鍵と、時が止まった砂時計をモチーフとした2点のガラスの作品を展示する。2003年、2009年、2011年、ヴェネチア・ビエンナーレ参加。2020年、ヴァル=ド=マルヌ県現代美術館(フランス)、ジャミール・アート・センター(アラブ首長国連邦)にて個展を開催。
Photo by Sophie Jaulmes
《無題》, 2014
© Sfeir-Semler Gallery (Beirut / Hamburg), Courtesy of the artist and Sfeir-Semler Gallery
Photo by Sfeir-Semler Gallery
1986年カサブランカ(モロッコ)生まれ、ルーベを拠点に活動。
鉱物が化学反応を起こす過程や、その結果生まれる現象を、彫刻、映像、インスタレーション、パフォーマンスなどによって視覚イメージとして提示している。2019年、ルーブル・ランス美術館、ヘイワード・ギャラリー(ロンドン)にて個展開催。
Photo by Aude Wyart
《Présage(予兆)》(スティル), 2007-
© Hicham Berrada, © ADAGP Hicham Berrada, Courtesy of the artist and kamel mennour, Paris/London
Photo by Hicham Berrada
1959年、ミズーリ州フルトン(アメリカ)生まれ、シカゴを拠点に活動。
ロドニー・キング事件の無罪判決(1992年)をきっかけに起きた、ロサンゼルス暴動へのレスポンスとして制作された着脱可能な彫刻作品《サウンドスーツ》で知られる。鮮やかな色彩と豊かな装飾性を特徴とするケイヴの作品は、人種、ジェンダー、社会階級に基づく差別への問いを投げかける。法格言「疑わしきは罰せず(innocent until proven guilty)」から展覧会名をとった大規模個展「Until」が、2016年から世界巡回中(マサチューセッツ現代美術館ほか)。本展では、「Until」展の構成要素でもある《回転する森》を、会場に合わせて新たに制作する。
Photo by Sandro
《回転する森》, 2016
© Nick Cave, Courtesy of the artist and Jack Shainman Gallery
Photo by James Prinz
1989年、北京(中国)生まれ、同地を拠点に活動。
自傷行為を行う身体と心の関係性に言及した、自叙伝的な写真作品により注目を集め、近年は、文学的なテキストを素材に、言葉とイメージとの関係を探るシリーズ「Towards Evenings: Six Chapters(夕暮れに向かって:6つの章)」に取り組んでいる。本展では同シリーズより新作を発表。2016年、上海ビエンナーレ、2018年、アジア・パシフィック・トリエンナーレ(オーストラリア)、「愛についてアジアン・コンテンポラリー」(東京都写真美術館)等に出品。
《The Only Question Is How to Endure》, 2017/2020
© Chen Zhe
1981年、オックスフォード(イギリス)生まれ、ロンドンとベルリンを拠点に活動。
近代性という神話や、社会や物質的な世界の構造に縛られる身体への関心を軸に、彫刻、インスタレーション、ドローイング、テキスト、パフォーマンスなど、多彩な手法で制作を行う。2018年、テート・ブリテン(ロンドン)で個展開催。2019年、ヴェネチア・ビエンナーレ出品。
Photo by Annabel Elston
《無題(待合室のポスター/市立病院シリーズ)》, 2017
1959年、バルセロナ(スペイン)生まれ、同地を拠点に活動。
社会制度やある政治体制下にある人間の状態を探究する写真や映像作品を発表。人間の未来を左右する現代の社会基盤に着目し、そのシステムに隠されたイデオロギーとしての性質を明らかにするプロジェクト「インフラストラクチャー」を2016年に開始。本展では、その最初の作品であり、資本の集中と独占を行ってきた支配的な金融インフラに対する分析としての《20の赤信号》より一連の写真作品を展示する。2019年、カイロ・ビエンナーレ(エジプト)、ハバナ・ビエンナーレ(キューバ)などの国際展に参加。同年、ガリシア現代美術センター(スペイン)にて個展。
Courtesy of Max de Esteban
《赤い印》(「20の赤信号」より), 2017
1988年バルセロナ(スペイン)生まれ、ロンドンを拠点に活動。
大型のソフト・スカルプチャーや鑑賞者の身体を包み込むようなインスタレーションを通して、人間の身体や欲望、情動が、産業デザインからどのような影響を受けるのかを探究している。2017年、ミロ美術館(バルセロナ)、2019年、セントロセントロ(マドリード)、クンストフェライン・ミュンヘンにて個展開催。
Photo by Migue Barreto, TEA Tenerife Espacio de las Artes
《ポンピング》, 2019
1992年、アレクサンドリア(エジプト)生まれ、同地を拠点に活動。
言語や建築、人間にまつわる歴史に着目し、立体的なインスタレーションや映像作品などを発表。近年はエジプトにおける水にまつわる歴史を創造的に再解釈し、作品化している。本展では日本郵船歴史博物館を会場に、新作を発表する。2019年、ハバナ・ビエンナーレ(キューバ)、2018年、ダカール・ビエンナーレ(セネガル)、マニフェスタ13等の国際展に多数参加するほか、各国の映画祭にも参加。
《アトラス Ⅱ》(スティル), 2019
© Marianne Fahmy, Courtesy of Marianne Fahmy
Photo by Kareem Hosem
1985年、クウェート生まれ、クウェートとサン・フアン(プエルトリコ)を拠点に活動。
ファリドは、現代生活の水面下に織り込まれた様々な構造的課題を作品化する。近年は、自身の個人史について言及、1990年代初頭のイラクによるクウェート侵攻に起因する、家族のプエルトリコへの逃避にまつわる苦難と希望について作品を発表している。本展では、映像作品《引き潮のとき》を発表。2016年、サンパウロ・ビエンナーレ、2018年、光州ビエンナーレ、2019年、シャルジャ・ビエンナーレ(アラブ首長国連邦)、2020年、ラホール・ビエンナーレ(パキスタン)に参加。2019年、ポルティクス(ドイツ)、2020年、ヴィット・デ・ヴィッド(オランダ)で個展を開催。
《引き潮のとき》(スティル), 2019
Courtesy of the artist and Galerie Imane Farès
Photo by Alia Farid
2017年にズン・アン・ヴィエットとニャン・アン・タンが設立。ハノイ(ベトナム)を拠点に活動。
自然や地理、気候、人間に注目し、「都市に緑の種をまく農家のような建築」を活動のコンセプトとしている。持続可能で環境にやさしい住居やカフェ、図書館などの建築設計、内装デザインを手がける。ハノイのKOI(鯉)カフェは、世界的な建築情報サイトArchDailyの「Building of the Year 2018 Hospitality Architecture」に、またVAC図書館は『TIME』誌による「World Greatest Places 2019」に選出された。
《THE SPACE COALITION》, 2020
1973年、ザグレブ(クロアチア)生まれ、ベルリンを拠点に活動。
光と人間の知覚に関する研究を通じて、人間の知覚の限界値に注目しながら、鑑賞者の認識と周囲の環境を有機的につなぐ境界面となるようなインスタレーションを制作している。2007年、ヴェネチア・ビエンナーレ、クロアチア館代表。2016年、上海ビエンナーレ出品。2017年、ザグレブ現代美術館にて個展開催。
Photo by Maja Bosnic
《In the Faraway Past and in the Future》, 2014
© Ivana Franke, Courtesy of INSERT2014
Photo by Umang Bhattacharyya
1986年、ロンドン(英国)生まれ、アブジャ(ナイジェリア) を拠点に活動。
写真や映像、ドローイングなどを用いたインスタレーションやパフォーマンスを手がける。近年は、ナイジェリア北東部および北部を拠点に活動するイスラム過激派組織ボコ・ハラムの脅威を生きのびた少女たちが、再び教育の機会を得て、学校で遊び心を取り戻していく様子をとらえたシリーズ「タツニヤ(物語)」で知られる。本展では、同シリーズより1作目を紹介する。写真専門誌『FOAM』が選ぶ2019年注目作家の一人になるなど、写真や映像の領域で活動するほか、2019年、バマコ・アフリカ写真ビエンナーレ(マリ)、ラゴス・ビエンナーレ(ナイジェリア)などの国際展に参加。
《タツニヤ(物語)》, 2017
© Rahima Gambo
1990年、グダンスク(ポーランド)生まれ、ワルシャワとロンドンを拠点に活動。
インスタレーションやサイト・スペシフィックなプロジェクトを通して、社会構造や空間にまつわる考察を行う。2018年、デルフィナ・ファンデーション「ArteVue ArtePrize 2017」受賞。同年、ワルシャワ近代美術館にて個展開催。
Photo by Ewa Sztybełko
《ランアップ》, 2015
Photo by Marcel Kaczmarek
1979年、アーヘン(ドイツ)生まれ、ベルリンを拠点に活動。
医学、解剖学、彫刻を学ぶ。生物、自然のプロセス、デジタル・アートを作品に取り入れ、自然科学、人文科学、文化における人と自然との関係、またその影響を探究している。2016年、ベルリニッシュ・ギャラリー(ドイツ)、2019年、メンヒェハウス美術館(ドイツ)にて個展開催。
Photo by Theo Bitzer
《弦より古生物へ》, 2014
© Andreas Greiner, composition by Tyler Friedman
1983年、ボゴタ(コロンビア)生まれ、香港を拠点に活動。
テート(ロンドン)のラテンアメリカ美術部門の招へいキュレーター、マニラのプロジェクト・スペース「ベジャス・アルテス・プロジェクト」のアーティスティック・ディレクターを務める。ゲレロは、横浜美術館の所蔵作品を用いた小展示のキュレーションによって本展に参加。地理的支配に伴い発生するさまざまな権力構造の中に見出される、情動や欲望といった私的なミクロコスモスをあぶり出すことを試みる。
1977年、イスタンブール(トルコ)生まれ、ウィーンとイスタンブールを拠点に活動。
パフォーマンス、映像、彫刻、インスタレーション、布とミクストメディアのコラージュなど、さまざまな手法で作品を発表している。社会的な不平等やジェンダーの役割、文化的アイデンティティを示す記号などへの関心を、詩的でユーモラスな表現に転換する。2014年、サンパウロ・ビエンナーレ、2016年、シドニー・ビエンナーレ出品。
Photo by Reha Arcan
《鞍馬》(「知られざるスポーツ」より)(部分), 2009
© Nilbar Güreş, Courtesy of Nilbar Güreş and Galerist
Photo by Nilbar Güreş
シドニー(オーストラリア)生まれ、同地を拠点に活動。
ドキュメンタリー映像作家、ドラマーとしての経歴を持ち、映像、音楽、サウンド、パフォーマンス等の分野で活動。歴史的、社会的に緊張を孕む土地や、スピリチュアルな場を舞台に作品を制作している。本展では、砂漠に放置された飛行機でドラムの即興演奏をする、作家のセルフ・ポートレートとしての映像作品を展示する。2010年、シドニー・ビエンナーレ参加。2018年、ブレイク賞(オーストラリア)受賞。「ザ・ナショナル2019:ニュー・オーストラリアン・アート」などの国際展に参加。
Photo by Anna Kucera
《ゴーストクラス》(スティル), 2015
© Tina Havelock Stevens, Courtesy of Tina Havelock Stevens
Photo by Oscar Sanabria
1983年、台北(台湾)生まれ、同地を拠点に活動。
絵画、映像、彫刻など多彩なメディアを用いて作品を制作。演出や舞台美術担当として演劇にもかかわる。ホーの作品は、日常的な事物に小さな変化を加えることで、社会の仕組みや制度に潜む問題に意識を向けさせることを意図している。本展の出品作《バランシング・アクトⅢ》は、ロッキング・チェアのように揺れる脚のついたフェンスとアーチ状のゲートを一列に配した、人が通り抜けることのできる作品。人々を時に統制し、時に護るものともなるフェンスは、ここでは、押しても倒れることはなく、不安定に揺らぐのみである。2014年、釡山ビエンナーレ、2019年、アジア・パシフィック・トリエンナーレ(オーストラリア)に参加。
Courtesy of the artist
《バランシング・アクト Ⅱ》, 2019
© Joyce Ho, Courtesy of the artist
Photo by the artist
1985年、カルマル(スウェーデン)生まれ、マルメ(同)を拠点に活動。
イルマンは、植物や生物をモチーフとして、工芸的な手法によって巨大なオブジェを制作、それらをシアトリカルな設定で配したインスタレーションにより、今日の自然環境と人間社会との関係に問いを投げかける。展覧会のほか、パフォーマンス、インスタレーション、文筆作品、舞台美術など多岐にわたるメディアで横断的に活動を展開している。2016年、光州ビエンナーレ、2019年、ヴェネチア・ビエンナーレ参加。
《A Great Seaweed Day》(部分), 2019
Courtesy of the artist
Photo by Marte Edvarda Tidslevold
1981年、兵庫県生まれ、同地を拠点に活動。
人の認識の不確かさや、社会の中で見逃されがちな事象に注目し、鑑賞者の気づきや能動的な反応を促すような映像、写真、インスタレーションを制作。2015年、黄金町エリアマネジメントセンターにて個展開催。2019年、「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館)出品。また、2005年、横浜トリエンナーレにアーティスト・コレクティヴCOUMAとして参加。
「デコレータークラブ 配置・調整・周遊」(展示風景), 2018
©Takehiro Iikawa, Courtesy of あまらぶアートラボ A-Lab
Photo by Mugyuda Hyogo
1988年、神奈川県生まれ、東京都を拠点に活動。
個人の生活や経験、記憶をインタビューや記録物などを通してたどり、歴史や社会といった大きな文脈との関係性を見つめるインスタレーションを発表。2015年、愛知県美術館にて個展開催。2016年、「歴史する!Doing history!」(福岡市美術館)、2017年、「コンニチハ技術トシテノ美術」(せんだいメディアテーク)出品。
Photo by Shingo Kanagawa
《海の観音さまに会いにいく》(スティル), 2014
© Yuki Iiyama
Photo by Hibiki Miyazawa
1975年、京都府生まれ、東京都を拠点に活動。
洗浄や清掃という日常行為に着目し、その背後にある社会的・記号的意味を顕在化するような映像やインスタレーション、パフォーマンスなどを発表。本展では、「エピソード」の一つとして、作家自身が作業員として定期的に携わった除染作業の経験を下敷きに、一般参加者とディスカッションし、清掃にまつわるアクション《彗星たち》を行う。2017年、リボーンアート・フェスティバル(宮城)、2018年、「定点なき視点」(横浜市民ギャラリー)等に出品。
《彗星たち》のためのドローイング, 2020
© Masaru IWAI
東京都生まれ、同地とベルリンを拠点に活動。
自然と人間のつながりや在り方、「食べること」、「滋養」とは何かを問いながら制作を続ける。2005年より約10年間、スタジオ・オラファー・エリアソンに併設された食堂「The Kitchen」の立ち上げ、運営に料理人として携わり、2013年には書籍『スタジオ・オラファー・エリアソン キッチン』を共同制作(2018年に美術出版社より出版)。2016年、「フードスケープ 私たちは食べものでできている」(アーツ前橋)に参加。
《non-visible》(スティル), 2013
© Asako Iwama and Derrick Wang
1978年、京都府生まれ、同地を拠点に活動。
コラージュやアッサンブラージュの手法をベースに、モノとイメージの関係性を顕在化させる作品を発表。彫刻、写真、映像など表現手法は多岐にわたり、近年は演劇やダンスとのコラボレーションに加えて、自ら舞台作品の演出も行う。2009年、個展「金氏徹平:溶け出す都市、空白の森」(横浜美術館)開催。2011年、シンガポール・ビエンナーレ、2019年、瀬戸内国際芸術祭、また、2005年、横浜トリエンナーレにアーティスト・コレクティヴCOUMAとして参加。
Photo by Kawashima Kotori
《White Discharge(フィギュア / 73)》, 2003
Courtesy of One and J Gallery
1979年、トレド(スペイン)生まれ、ロンドンと東京都を拠点に活動。
心身障害学を学び、金融トレーダーとしての経歴を持つ。写真や映像、多言語によるテキスト、インスタレーションなど多様なメディアで、人や土地のアイデンティティ、経済活動などに着想を得た社会批評的な作品を発表。2016年、資生堂ギャラリーにて個展開催。2017年、横浜トリエンナーレ出品。
「200万年の孤独、さくらと50万光年あまり」(展示風景), 2017
Courtesy of 特定非営利活動法人黄金町エリアマネジメントセンター
Photo by Yasuyuki Kasagi
1990年、ヨハネスブルグ(南アフリカ)生まれ、同地を拠点に活動。
写真を主体に、映像やパフォーマンス、インスタレーションなど多彩な手法で作品を制作。作家自身やその家族の肖像、南アフリカの歴史的・社会的イメージを組み合わせて、現実の反映でありながらもフィクションのような作品世界を構築する。2015年、バマコ・アフリカ写真ビエンナーレ(マリ)で審査員賞を受賞、2019年、東京国際写真コンペティション入賞など、主に写真の領域で国際的に活動する。
《ケ・サレ・テン(今もここにいる)》(スティル), 2017
© LEBOHANG KGANYE, Courtesy of AFRONOVA GALLERY
1970年、ソウル(韓国)生まれ、仁川(同)を拠点に活動。
科学や数学の理論を応用したメカニカルな立体作品で知られるほか、電子音響音楽の作曲家としても活動する。本展では、ポリマーでつくられた数百のセルを数学の結び目理論に基づいて構成し、豊かな色彩の連鎖をつくり出す《クロマⅢ》と、宇宙放射線が大気に衝突して生じるミュー粒子を捉えて光を放つ《アルゴス》を展示する。2008年、メディアシティ・ソウル出品。2016年、欧州原子核研究機構(スイス)と芸術創造技術財団(英国)が科学と芸術の融合に貢献した人物を表彰する「コライド・インターナショナル・アワード」(スイス)を受賞。
Photo by Bennett, Sophia Elizabeth, CERN
《クロマ》, 2019
Courtesy of the artist, Photo by the artist
ゴスフォード(オーストラリア)生まれ、東京都を拠点に活動。
ノックスはデジタル・メディアやパフォーマンス、立体、サウンド、音楽、インスタレーションの領域を横断し、私たちの存在や人格、アイデンティティ、科学技術が作る未来での信念などを浮かび上がらせる。本展では、参加型プロジェクト《ヴォルカノ・ブレインストーム》の拡張版を発表し、エビのための「ポルノグラフィー」を創ることにより、閉ざされた生態圏における官能性と生存について探る。2019年、「黄金町バザール」(横浜)、「未来と芸術展」(森美術館)ほか海外でも多くの展覧会に参加。
《ヴォルカナ・ブレインストーム》(展示風景), 2019
1982年、香港生まれ、ニューヨークと香港を拠点に活動。
ラウは、個人史や歴史の資料、映画の表現やポップカルチャー、デジタル・メディアなどを通して「アイデンティティ」がどのように形成されていくのかに着目し、その際に生じる歴史とフィクション、記憶と仮想現実の「衝突」を表現する。本展ではオブジェに組み込んだ新作の映像を発表。2015年、越後妻有アートトリエンナーレ(三影堂撮影賞作品展)、2016年、フォト・ビエンナーレ(デンマーク)、2018年、関渡ビエンナーレ(台湾)に参加のほか、パラサイト(香港)、2018年、パワー・ステーション・オブ・アート(上海)、2019年、タイ・クン・コンテンポラリー(香港)、2020年、ヒューストン美術館(テキサス)など欧米、アジア各地においてグループ展への出品多数。
Photo by Oscar Yik Long Chan
《足りない声》, 2019
Courtesy of LAU WAI, Photo by LAU WAI
1985年、セブ(フィリピン)生まれ、マニラを拠点に活動。
人生における様々な葛藤や、自身が向き合う現実を反映するようなインスタレーション、パフォーマンス、振付作品を発表。作家のオルター・エゴ(=分身)である複数のキャラクターによるパフォーマンスを行い、社会的存在としての自己や、演じられる人格、物語を浮かび上がらせる。近年は、SNSを舞台に実践するプロジェクトで、人間の行為を調査、探究している。2017年、フィリピン文化センターにて個展。同年のアジアン・カルチュラル・カウンシルの助成金受給者。2019年、Low Fat Art Festival(タイ)にてソロ・パフォーマンス。
Courtesy of the artist
《メイキング・プラネット・ブルー》, 2020
Photo by Dane Terry
コニー・アンテス(1978年-)と、レベッカ・ギャロ(1985年-)は、共にシドニー(オーストラリア)生まれ、同地を拠点に活動。
2015年の結成以来、プロセス・ベースのプロジェクトを、画廊や公共機関、アート・フェスティバル、特定のコミュニティなどで実践。物品交換や対話による実験的な経済活動、仮想通貨の流通、資源の循環などを生み出すプロジェクトを通して、社会構造や労働問題、アーティストと鑑賞者の関係を可視化する。コミュニティに関わりながら、生活に影響を与える今日の社会や政治のシステムに問いを投げかける。2017年、アンダーベリー・アーツ・ラボ・アンド・フェスティバル(シドニー)、2018年、カインウトン現代美術トリエンナーレ(オーストラリア)に参加。
《除幕式》, 2018
© Make or Break, Courtesy of the Artist
Photo by Zan Wimberley
1983年、モスクワ(ロシア)生まれ、同地を拠点に活動。
旧ソ連の体制下で社会主義を経験したコーカサス地方のダゲスタン共和国に文化的なルーツを持ち、異なる文化や伝統が出合う時に起こる出来事を、批判的に考察するパフォーマンスや映像作品を発表している。本展では、私たちが日常生活でしばしば耳にする、人の行動を制御するための抑圧的なフレーズと、変形した体操器具、そしてその中で展開されるパフォーマンスから、現代社会における身体、規律、統制について問いを投げかける。2017年、モスクワ市近代美術館にて個展開催。同年、ヴェネチア・ビエンナーレ出品。2019年には「フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズ2019」(ウクライナ)にノミネートされた。
Photo by Natalia Pokrovskaya
《目標の定量的無限性》, 2019
© Taus Makhacheva, Courtesy of Taus Makhacheva
Photo by Alex Piliugin
1987年、ムファケイン(南アフリカ)生まれ、ヨハネスブルグ(同)を拠点に活動。
キュレーターおよびイベント主宰者。2018年から2019年にかけて南アフリカのアーティスト支援ネットワークVansaのディレクターを務める。キュレーターとしてのプロジェクトでは、展覧会が異分野間の協働の出発点となりうるかを探究し、人々を取り巻く世界に新たな創造と解釈をもたらす可能性を考察する。また、イベント主宰者としては、特にハキム・ベイが提唱する「一時的自律ゾーン」の概念をアフリカの文脈において実践することに強い関心を抱いている。
© George Mahashe, Courtesy of Kabelo Malatsie
Photo by George Mahashe
1969年、ロンドン(英国)生まれ、ダッカ(バングラデシュ) およびニューヨークを拠点に活動。
映像作品やインスタレーションを発表する傍ら、作家・批評家としての執筆活動も行う。モハイエメンが注目するのは、かつて社会主義が掲げた理想、不完全な脱植民地主義、世界を分断する境界線の転換といった社会的な主題である。本展では、インドを舞台に、終末期医療と人生の理想について探る新作を発表する。2009年、チョビメラ国際写真展(バングラデシュ)、2015年、ヴェネチア・ビエンナーレ、2017年、ドクメンタ14、2018年、ラホール・ビエンナーレ(パキスタン)等の国際展に多数参加。著作も出版している。
《Jole Dobe Na (Won't Drown in Water)》(スティル), 2020
© Naeem Mohaiemen, Courtesy of the artist
1808年-1890年。
スコットランドで生まれたナスミスは、少年期より美術と機械技術に早熟な才能を現し、天文学にも高い関心を示した。機械技術者として鍛造加工用蒸気ハンマーの発明により富を築いたのち、事業を引退し、天体観測に専念。自ら考案した「ナスミス式望遠鏡」を用いて月の地形を研究し、1874年に大著『The Moon』を上梓。同書には、ナスミス自身が製作した月面の石膏模型を撮影した写真が挿図として収められている。本展ではそれらを壁面出力により紹介する。
《月の山(理想的な月の風景)》 (ジェイムス・ナスミス、ジェイムス・カーペンター著 『ザ・ムーン:惑星、世界、衛星としての月』第4版、1903年〔初版1874年〕、挿図25),
角田玉青氏「天文古玩」コレクション“Astrocurio Collection” by Mr. Tsunoda Tamao
1965年ソウル(韓国)生まれ、同地を拠点に活動。
映像を主体に制作し、執筆活動も活発に行う。本展では、インドの核実験や日本の原子力発電所が仏教に因んだ名称をもつことに着想し、現代社会の原子力に関わる受難を仏教説話と結びつけて考察した映像作品《遅れてきた菩薩》を展示する。2019年、韓国国立現代美術館の現代自動車提供による企画展シリーズで個展を開催。2014年にはSeMAビエンナーレメディアシティ・ソウルのアーティスティック・ディレクターを務めた。
Photo by Keith Park, Courtesy of Kukje Gallery
《遅れてきた菩薩》(スティル), 2019
© Park Chan-kyong, Photo by Hong Cheolki
1987年、ムンバイ(インド)生まれ、同地を拠点に活動。
コンセプチュアル・アーティスト、パフォーミング・アーティストとして活動。都市環境や労働者階級の生活をテーマにビデオ、キネティック・スカルプチャー、インスタレーションなど多様な手法で作品を発表。2015年、アムステルダム市立美術館のグローバル・コラボレーション・プログラム「カマラド」参加。2017年、韓国国立アジア文化殿堂(光州)にて個展開催。2018年、「Reimagine India」展(ザ・ショウルーム、ロンドン)出品。
Photo by Yogesh Barwe
《人が動物になるとき》, 2019
©Amol K. Patil, Courtesy of Amol K. Patil
Photo by Amol K. Patil
ミュージシャン、美術家、デザイナー、フォトグラファー、パフォーマーなど約40名のメンバーからなるクリエーター集団として2018年より活動開始。南京(中国)と東京を拠点に、国際的な禍根となっている歴史問題を挟みつつも自由なテーマや手法で遊び場を作る活動を行う。本展では、COVID-19に直面し活動をリモート空間へと拡張したオンライン企画『SURE INN』を立ち上げ、刷音が文化の力で乗り越えようとしている歴史問題に加えて、今世界で共通課題となりつつあるウィルスや差別問題に応答する遊びを日中韓で試みる。
Photo by Yui Hasegawa
『刷音』の物干し場、玄武湖, 2019
1971年、三地門郷大社村(台湾)生まれ、同地を拠点に活動。
台湾最南端に集落を形成するパイワン族の貴族の家系に生まれる。幼少期より身近にあった部族の伝統衣装を発想源とする、鮮やかな布製のソフト・スカルプチャーを2010 年代半ばから制作。「布を織る」「ビーズを縫い付ける」といった微視的な営みを連綿と続けてきた部族女性たちの脈動を伝えたいという意志からスタートした制作活動は、精細な工芸品から始まり、次第に、空間との対話を求める大規模なインスタレーションへと展開。本展では、台湾外では初の発表となる代表作群により、空間を構成する。
《満開》, 2019
© 伊誕創藝視界企業社, Photo by 王 言度
1985年、チェンナイ(インド)生まれ、バンガロール(同)を拠点に活動。
他者とのコミュニケーション手段として制作されるラジーヴの作品には、セクシュアリティやジェンダー、家族という概念や、他者との関係性への言及を読み取ることができる。ドローイングや版画を主体に、近年ではアーティスト・ブック、同人雑誌、張り子やテキスタイルなど表現の手法を多様化させており、本展では横浜で制作する新作に近作を交えたインスタレーションを発表する。2010年、ヴィクトリア国立美術館「ウーマンズ・アソシエーション・プライズ」(オーストラリア)、2016年、インド現代美術財団「エマージング・アーティスト・アワード」受賞。
《裏切られた無垢なる者》, 2019
1980年、ミラグロ(エクアドル)生まれ、デン・ハーグ(オランダ)を拠点に活動。
サイバネティックス研究家、アーティスト、SF愛好家。10年程前から、科学者、哲学者、作曲家、人類学者など、様々な専門家とのコラボレーションによる作品制作を行う。新たなアイデアを試し、生み出し、良い考えを反故にする(と同時に無益なアイデアを熟考するような)実験的なプロセスを通して、想像力を掻き立てる作品を制作する。本展では、金星の表土と同じ成分に調合した土からつくられた《宇宙工芸船(金星)》と新作を発表。2017年、メキシコ国立自治大学付属現代アート美術館、2016年、ヴィッデ・デ・ヴィット現代美術センター(オランダ)にて個展開催。
《宇宙工芸船(金星)》, 2018
1986年、ダッカ(バングラデシュ)生まれ、同地を拠点に活動。
バングラデシュの歴史や人々の暮らしから消えゆく光景や文化を探究する写真や映像作品を制作し、浸食された土地や植民地時代の建造物、家族の歴史に堆積する時間、儚さを伝える。本展では、かつての活気を失いつつあるバングラデシュの娯楽映画を題材にした写真シリーズのスライドを上映するほか、新作の映像コラージュを展示する。2014年、ダッカ・アート・サミット(バングラデシュ)、2016 年、大邱フォト・ビエンナーレ(韓国)、2018 年、ハンブルグ写真トリエンナーレ参加。
Photo by Aishwarya Arumbakkam
《ラブ・キル》, 2014-2015
© Sarker Protick, Courtesy of Sarker Protick
Photo by Sarker Protick
1973年-2019年。
ビデオカメラで撮影した日常の風景を、パソコン上でトレースしてアニメーション化するロトスコープと呼ばれる技法により、リアルなイメージの中にも、どこか奇妙な感覚をもたらす映像作品を発表したことで知られる。本展では、実写をなぞるロトスコープと同様の手法で制作され、遺作となった絵画群を紹介する。2016年、原美術館にて個展開催。2019年、「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館)出品。
© Courtesy of Estate of Masaharu Sato and KEN NAKAHASHI
《ガイコツ》, 2018
© Estate of Masaharu Sato, Courtesy of KEN NAKAHASHI
1972年、東京都生まれ、神奈川県を拠点に活動。
抽象的でありながらも親しみを感じさせる大型のソフト・スカルプチャーを、屋内外を問わず公共のスペースに出現させ、作品を通じたコミュニケーションの可能性を考察する。ワークショップを通じた共同制作なども数多い。「六甲ミーツ・アート芸術散歩2017」(兵庫)、2019年、「フューチャースケープ・プロジェクト」(象の鼻テラス、横浜)、「スリシュティ・インテリム2019」(インド)等に出展。
Photo by Seiichiro Sato
《本日も、からっぽのわたし #1》, 2019
© Risa Sato, Courtesy of ZOU-NO-HANA TERRACE
Photo by 427FOTO
1981年、ムンバイ(インド)生まれ、ラトナギリとムンバイ(同)を拠点に活動。
ムンバイで、大手新聞会社のジャーナリスト、研究者、アシスタント・ディレクターを経た後、映像制作を学ぶ。インド映画テレビ学院在学中に、ナショナル・フィルム・アワード(インド) にて、《Airawat》(2012年)で審査員特別賞を受賞し、2015年には《Aaranyak》で最高賞のゴールデン・ロータス賞を受賞。他国内外における多くの映像祭で受賞。2014年にタタ・インスティテュート・オブ・ソーシャル・サイエンスのメディア&カルチュラル・スタディーズのフェローシップを受け、4時間におよぶドキュメンタリー映像《ミリャでの数カ月》を制作。マラーティー語で語られるインド西海岸の村に住む人々の私的な物語を映し出す。同作品は、2017年、ジョン・アブラハム・アワード(インド)のベスト・ドキュメンタリー賞を受賞。
《ミリャでの数カ月》(スティル), 2017
© Renu Savant, Courtesy of Renu Savant
1978年、ニューデリー(インド)生まれ、同地を拠点に活動。
作曲家、サウンドアーティスト、キュレーターとして、主にサウンドアート、および、エレクトロと即興音楽の分野で活動する。国内外で多数のサウンドインスタレーションやアルバムの制作や、インディペンデント短編映画、演劇、パフォーマンス、コンテンポラリーダンス公演のための作曲を手掛けている。また、2012年から南アジア地域で開催されているサウンドアートと実験的なエレクトロニックミュージックの祭典「サウンド・リーズン」のキュレーションも行う。本展では、メディアアーティストのヴェンザ・クリストと共にエピソードに参加、日本で初めて「サウンド・リーズン」を開催する。
Photo by Varun Sharma
《An Octagon and a Square - II》, 2020
© Sound Reasons, Courtesy of the artist
Photo by Ish S
1968年、カトマンズ(ネパール)生まれ、カトマンズとオークランド(アメリカ)を拠点に活動。
絵師である父からチベット仏教絵画「タンカ」を学ぶ。ネパールの僧院壁画やタンカの制作プロジェクトに関わったのち、1998年にカリフォルニアに移住。以降、タントラ(ヒンドゥー教シャクティ派の聖典)に現れる伝統的モチーフや造形を再解釈し、フラットな画面に極彩色で描く独自の手法により、ディアスポラとしての自らのアイデンティティを探究。2015年、アジア・パシフィック・トリエンナーレ(オーストラリア)、2017年、カトマンズ・トリエンナーレ、2018年、銀川ビエンナーレ(中国)など、欧米やアジアでの展示歴多数。
Photo by Mike Peckett
《54の智慧と慈悲》, 2014
© Tsherin Sherpa, Courtesy of the artist and Rossi and Rossi Gallery
1994年、大分県生まれ、京都府を拠点に活動。
「生きていることを確認するための行為」として自らの裸体に絵の具を纏う姿を、写真やパフォーマンスで発表している。2019年、京都造形芸術大学大学院総合造形領域修了。同年、アートアワードトーキョー丸の内2019丸の内賞(オーディエンス賞)受賞。
《I'm still alive》, 2019
1968年、アディスアベバ(エチオピア)生まれ、同地を拠点に活動。
既成のモノを本来の用途や意味から切り離し、造形上の特徴等から組み合わせた作品を制作する。本展では、コンピューターのキーボードや電子回路基板、電線などを、一枚の絵画のように緻密に構成した「Tightrope(綱渡り)」シリーズを中心に展示。2019年のハミルトン大学ルース・アンド・エルマー・ウェリン美術館を皮切りに、大規模個展がアメリカ、カナダの美術館を巡回予定のほか、「ヒューゴ・ボス賞2020」にノミネートされている。
Photo by Brett Moen
《TIGHTROPE: (17) While Observing...》, 2018
© Elias Sime, Courtesy of the artist and James Cohan, New York
1983年、アシュクート(レバノン)生まれ、ベイルート(レバノン)を拠点に活動。
歴史的、政治的な出来事と個人の経験や記憶を接続させ、新たな観点を提示するといったインスタレーション等を発表している。本展では、2016年から継続する「Fragments(かけら)」シリーズのひとつを紹介。作家の曾祖父が秘書を務めたドイツ人考古学者マックス・フォン・オッペンハイムにより、シリアの遺跡テル・ハラフから発掘された石造レリーフのかけらを拓本によって採集し、失われたもの、散逸したものが物語るリアリティを現前化させる。2018年、シドニー・ビエンナーレ、マニフェスタ12出品。2019年から、メトロポリタン美術館にて個展を開催中。
Photo by Douglas Friedman
《オルトスタット》, 2017‒
© Rayyane Tabet, Courtesy of the artist and Sfeir-Semler Gallery Beirut / Hamburg
Photo by Jen Ziehe
1975年、東京都生まれ、群馬県を拠点に活動。
家族、記録、失われたものの存在をテーマに、刺繍を施した布を写真やドローイングの上に重ねた平面のインスタレーションや、壊れた陶器の破損部分を絹糸で縫い直す「修復シリーズ」を発表。近年は、オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質を創る遺伝子を用いて開発された蛍光シルクを使用し、重なり合う過去と現在の記憶や、時間を可視化する作品を制作する。2006年、シドニー・ビエンナーレ、2019年、「まえ と いま」(群馬県立近代美術館)等に出品。
《修復されたY.N.のコーヒーカップ》, 2018
© Kei Takemura, Photo by Shinya Kigure
1977年、富山県生まれ、京都府を拠点に活動。
既存のイメージやオブジェクトを起点にしたインスタレーションやパフォーマンスを手掛ける。土地固有の歴史的主題から身近な大衆的主題まで着想源は幅広く、現実と虚構を交差させつつ多層的な物語を構築する。2016年、「BODY/PLAY/POLITICS」(横浜美術館)、2019年、アジアン・アート・ビエンナーレ(台湾)出品。
《深沼》(パフォーマンス風景), 2013
1975年、シンガポール生まれ、同地と東京都を拠点に活動する。
日用品、ファウンド・オブジェ、周囲の環境などを作品に転換することにより、アートと日常生活の境界を問う。また、これらの要素を組み合わせた彫刻、インスタレーション、パフォーマンスを通して、日常の光景に新たな視点をもたらす。本展では、都会の雑踏での体験に着想を得たブリコラージュとパフォーマンスを発表する。2018年、「There are too many episodes of people coming here…」展(シンガポール国立大学ミュージアム)、2019年、シンガポール・ビエンナーレに参加。
《自転車ベルの件》のためのドローイング, 2020
1986年、ニューヨーク(アメリカ合衆国)生まれ、香港とミネソタ州を拠点に活動。
価値論の哲学を実践するパフォーマンス・アーティスト。身体の動きを駆使して、自然界に潜む様々な思考を開放しようと試みる。ロバート・ラウシェンバーグ財団(アメリカ)、中国・蘇州市、 SoART(オーストリア)、CCA北九州、Seawitch(香港ランタオ島)などにて滞在制作。
courtesy toward Ena Ashe
《Land Lapse》(スティル), 2020
© ali van
1973年、バニュワンギ(インドネシア)生まれ、ジョグジャカルタを拠点に活動。
ジョグジャカルタにあるニューメディアアートの研究所「House of Natural Fiber (HONF)」の創設者。同研究所で、社会に向けた芸術、科学、テクノロジーの開発に取り組み、数多くのアートプロジェクトを研究している。クリストは、宇宙科学と宇宙探査の研究に注力し、その分野の40以上の機関や大学との共同プロジェクトを積極的に生み出してきた。近年のプロジェクトに、「MARS Desert Research Station-MDRS」(2018年)、「Simulation of Human Isolation Research for Antarctica-based Space Engineering - SHIRASE」(2019年、模擬宇宙生活実験のSHIRASE EXP.)などがある。本展では、サウンドアーティストのイシュ・シュヘラーワト(イシュ・S)と一緒に「エピソード」に参加し、電波天文学を取り入れたアートインスタレーションを発表する。
Photo by MDRS Crew191 TEAM ASIA
《Evolution Of The Unknown #06》, 2018
© 2018, Courtesy of Indonesia Space Science Society - ISSS
Photo by Venzha Christ and Yudianto Asmoro
1965年、モスクワ(旧ソヴィエト連邦、現ロシア)生まれ、ニューヨークとベルリンを拠点に活動。
国際的に活躍するアーティストであるだけでなく、『e-flux journal』の編集者としても知られる。近年の代表作に《ロシア宇宙主義》三部作(2014-17年)があり、本展ではそのなかから1点と、日本を舞台にした最新作の2点を発表する。2012年、ドクメンタ(カッセル)、2015年、ヴェネチア・ビエンナーレ出品。
Anton Vidokle at NASA Space Center, Houston, 2018,
Photo by Toby Kamps
《宇宙市民》(スティル), 2019
Courtesy of the artist, Asakusa and Vitamin Creative Space
オメル・ワシム:1988年、カラチ(パキスタン)生まれ、同地を拠点に活動。
サーイラ・シェイク:1975年-2017年。
カラチにおける伝統的な芸術家やその制作の在り方に抵抗し、アーティストのワシムと、同じくアーティストであり、パキスタンの芸術教育分野における先駆的指導者でもあったシェイクは、2016年から写真、映像、ドローイング、インスタレーションなどのコラボレーション作品を発表してきた。本展では、シェイク亡き後ワシムが制作した近作に、シェイクが遺したドローイングを織り交ぜ、ひとつのインスタレーションとして展示する。2017年、カラチ・ビエンナーレ(パキスタン)、2018年、ダッカ・アート・サミット(バングラデシュ)出品。
《As the Light Turns》(展示風景), 2018
© Omer Wasim, Courtesy of Omer Wasim
Photo by Omer Wasim
1987年、香港生まれ、同地を拠点に活動。
リサーチャーおよびキュレーター。リサーチャーとして参画する香港の「アジアン・アート・アーカイヴ」では、展覧会記録や定期刊行物を通じて、美術界の交流と流通の歴史を調査、研究。香港を代表する画家で独学者としても知られる夏碧泉(Ha Bik Chuen、1925-2009)が残した2000以上の展覧会記録の調査も手掛ける。主な執筆活動に『Ambitious Alignments: New Histories of Southeast Asian Art, 1945-1990』(共著、Power Publications and National Gallery Singapore、2018年)、『OnCurating 』(35号、OnCurating. org、2016年)。2019年、ヴィラ・ヴァシリエフ&ベトンサロン(パリ)に「ペルノ・リカール」フェローとして滞在。キュレトリアル・コレクティヴ・プロジェクト「サイトライン」をウェイ・レン・テイとともに運営している。
Photo by Luke Casey
1988年生まれ、ドバイ(アラブ首長国連邦)を拠点に活動。
イメージ、オブジェ、物語、ジャズバンド、オートバイ、本、パーティー、賭け事、会議、インタビュー、備蓄品、コピー機、ビニール袋、紙袋、水のボトル、たばこ、灰皿、孔雀のはく製、ビール、駐車場、プラスチック椅子、旅程、配達、ドキュメント、圧縮された空気、梱包方法、バラ銭などを作品化する活動を展開。2016年、コチ=ムジリス・ビエンナーレ(インド)、2017年、ヴェネチア・ビエンナーレ、2019年、シャルジャ・ビエンナーレ(アラブ首長国連邦)に出品。
《A rumble interrupted our chat》(部分), 2017
Courtesy of the artist and Grey Noise, Dubai
1988年、台北(台湾)生まれ、同地を拠点に活動。
ドローイングや、手製の動物のパペットやジオラマを用いたストップモーションによるアニメーション映像やインスタレーションを制作。儀式や葬送用の紙細工作りを家業とする家庭に生まれ、紙を素材にしつつ時代と共に廃れゆく家業に象徴される社会状況の反映として、奇怪な生き物の営みを作品化する。本展では新作の映像インスタレーションを発表。2018年、上海ビエンナーレ、2015年、アジアン・アート・ビエンナーレ(台湾)、2012年、アジア・パシフィック・トリエンナーレ(オーストラリア)の映像プログラムなどの国際展に参加。
Courtesy of ZHANG XU Zhan & Golden Horse Film Festival
《動物物語シリーズ》, 2019-2020
© ZHANG XU Zhan & Project Fulfill Art Space
Courtesy of ZHANG XU Zhan & Project Fulfill Art Space
1974年、北京(中国)生まれ、香港ランタオ島を拠点に活動。
アーティスト活動と並行して研究者、文筆家として多彩な活動をする。社会的に周縁化された人々や生物等の考察、ある地域の史実に関するリサーチ等を通じて未来を想像し、映像やテキスト、庭といった形態で、終末へと向かう今日の世界の、生態学的問題について言及する作品を発表。本展では、台湾と日本でのリサーチに基づく、クィアな植物と人々との交流を描いた「Pteridophilia(シダ性愛)」と題したシリーズを発表する。2016年、上海ビエンナーレ、2018年、台北ビエンナーレおよびマニフェスタ12等の国際展に参加したほか、2019年には京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで個展を開催した。
Courtesy of the Artist and Edouard Malingue Gallery
《シダ性愛Ⅰ》, 2016
Courtesy of the Artist and Edouard Malingue Gallery