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アーティスティック・ディレクターメッセージ


ラクス・メディア・コレクティヴRaqs Media Collective


ラクス・メディア・コレクティヴ(以下、ラクス)は、ニューデリー生まれのジーベシュ・バグチ(Jeebesh Bagchi 1965年)、モニカ・ナルラ(Monica Narula 1969年)、シュッダブラタ・セーングプタ(Shuddhabrata Sengupta 1968年)の3名により結成されたアーティスト集団です。

彼らは、ニューデリーにあるジャミア・ミリア・イスラミア大学のマス・コミュニケーション修士課程の同窓生です。2001年にインド有数の人文系シンクタンク「国立発展途上社会研究センター(Centre for the Study of Developing Societies)」の外郭団体「サライ・プログラム」の創設に携わり、約10年にわたり都市空間や文化の変容について研究を重ね、また、同プログラムの発行物『サライ・リーダー』を編集するなど、インドの現代文化を刺激し続けています。

「Raqs」とは、ペルシャ語、アラビア語、ウルドゥー語で、回転運動や旋回舞踊によって到達するある種の覚醒状態や、立ち現れてくる存在との一体感を表す言葉です。

ラクスは、こうした状態を思考的な運動と捉え、世界や時間の概念を絶え間なく問い、精力的に思索し続ける「動的熟考 / kinetic contemplation (ラクスによる造語)」を活動の核としています。

 

彼らの実践は、作品制作、展覧会のキュレ―ション(企画)、パフォーマンスのプロデュース、執筆など多岐にわたります。また、建築家、コンピュータ・プログラマー、ライター、キュレーター、舞台演出家といった専門家や、市民とのコラボレーションも豊富で、多面的な作品やプロジェクトを多数実現しています。

探究心旺盛なラクスは、多様な人々と未知なるものの豊かさを共有し、会話をつないで開かれた議論を促す独創的な手法やアプローチによって、現代美術、哲学的思索、歴史的考察が交差する領域で独自性を発揮し、予期せぬ新たな視点を提起します。

 

キュレーターとして企画した展覧会


「In the Open or in Stealth-­The Unruly Presence of an Intimate Future」(バルセロナ現代美術館[MACBA]、スペイン・バルセロナ、2018-19年)第11回上海ビエンナーレ「Why Not Ask Again: Arguments, Counter-arguments, and Stories」(2016-17年)
マニフェスタ7「The Rest of Now」(イタリア・ボルツァーノ、2008年)

 

個展


「Raqs Media Collective: Not Yet At Ease」(ファーストサイト、英国・コルチェスター、2018-19年)
「Raqs Media Collective」(ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館 K21、ドイツ・デュッセルドルフ、2018年)
「Raqs Media Collective: Twilight Language」(ザ・ホイットワース、英国・マンチェスター、2017-18年)

 

海外で参加した国際展


シャルジャ(第11回、2013年/第13回、2017年)、ヴェネチア(第50回、2003年/第51回、2005年/第56回、2015年)、サンパウロ(第29回、2010年)、上海(第8回、2010-11年)、イスタンブール(第10回、2007年)、シドニー(第15回、2006年)、台北(2004-05年)、ドクメンタ11(2002年)

 

日本で参加した国際展・展覧会


瀬戸内国際芸術祭2019(香川県本島、2019年)、奥能登国際芸術祭(石川県珠洲市、2017年)

 

AD選考委員会 委員長 浅田彰氏のコメント「アーティスティック・ディレクターの選考にあたって」は、こちらからご覧いただけます。

 

写真(左)ジーベシュ・バグチ、(中)モニカ・ナルラ、(右)シュッダブラタ・セーングプタ

Photo: TANAKA Yuichiro